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人生®

ゲーム、映画、ゲーム

【映画】☆3 寄生獣 完結編

 

 

 

「俺からしたらあんたらの方がおかしいねえ

 自分と同じ生き物かそうじゃねえか 区別がつかねえってんだから」

 

 

 

レビュー22本目は寄生獣完結編(2015)

評価:☆☆☆ 脚本がおかしいね

 

 

 

 前編と合わせて1本 当然ながら今回ネタバレ大目

 

 

 

母の仇討ちを果たし寄生生物の殲滅に燃える新一と反撃を始めた人間たち、かれらと寄生生物たちとの最後の戦いを描いたホラーSF/アクション映画

 

 

 

 あらすじ1

残された数多くの死体を回収し、既にパラサイトの心臓が弱点であることを見抜いていた特別チーム。ただ食われるだけだった人間側は反攻作戦を計画、その手始めは市長広川によるパラサイトの"コロニー"が作られていた市役所での"狩り"でした。そのころ警察は、いくつものミンチ殺人事件に関わっている新一に疑いのまなざしを向けはじめます

 

 

 

まさかとは思っていましたが、3名いたはずのヒロインのうち2名が削除という憂き目にあっています。言いかえれば里美しか出てきません。クイーンビー加奈も旅館のエスケープ娘もいないのです。原作付きで売れるのわかってるんだから、そんな駆け足に進まず、もうちょっと丁寧にやってほしかったというのが正直な感想。特に加奈を助けるのが一瞬間に合わず...の部分は覚醒シーン含めて作中最高だと思っているので、ここの削除は痛すぎる。ペルソナ3だって4部作やったんだよ!!

さらには、アニメでも大活躍だった不良がこの世界には存在しません。やたら絡んでくる他校の生徒も、猫に石を投げる子供もいないのです。したがって、化け物への成長過程が大幅に省かれており、あまり手順を踏むことなく狂気の戦闘マシーンと化していく新一にミギ―だけでなく視聴者もついていけません。喧嘩中に人が変わって...というのならわかりますが、日常生活でいきなり口調変わり過ぎて恐怖を覚えます。それを狙ったのだとしたら大したものですが

 

 

 

あらすじ2

変化を続ける新一に興味を持ったコロニーのブレイン田宮は探偵を使っての偵察を続けていましたが、探偵のヘマから尾行に気付かれ、逆に田宮の正体をばらされていまいます。一方で広川グループ内部では新一を危険視する声が高まり、探偵とともに排除を行う動きが開始。ところが手始めに行った探偵の襲撃は失敗、不用意に家族だけを殺してしまったことで探偵を激高させ、彼は新一とはまた別の方法で寄生生物への復讐を模索し始めます

そのころ市庁舎では作戦が開始、新一は重要人物として同行します。訓練されたSATによってパラサイトは次々無力化。人間の数に対して圧倒的に少ない寄生生物、完全駆除は時間の問題かと思われていましたが、そこに現れたのはパラサイトの最終兵器である"後藤"。頭だけでなく四肢にも寄生生物を宿す彼の戦闘力は凄まじく、あっという間に班を殲滅。やがて新一との直接対決を告げると、慌てる警官をしり目に市庁舎を飛び去ります

 

 

 

 

SATのシーンは近年の邦画のなかでも特に凝った作りになっていてよかったです。後編唯一のほめどころじゃないでしょうか。雪崩のように出てきたと思ったらびしっと整列する。外で包囲人を築く機動隊もかっこいいですねー。「突入せよ! あさま山荘事件」で見せたへなちょこさはひとかけらもないです。彼らも連合赤軍を相手にして磨かれたようです

比較すると、アニメ版だとなぜかAA12を担いでいましたが、映画版では普通に現実準拠の装備に変わっています。外見上まったく区別がつかないパラサイト、「見つけたらとりあえず撃て」というSATの豪快な姿勢はフィクションならではでしょう。逃げる奴を撃ったら人間で、「フッ人間だったか...」というシーンが原作にあって好きだったんですが、映画では誤射はそこまで濃密に描かれてはいませんでした。PG12指定のための配慮でしょうか

 

 

 

そしてクライマックスになる究極生物"後藤"との最終決戦。浅野忠信は問答無用で笑う

原作では雑木林にある不法投棄の現場でしたが、映画では処理センターの焼却炉に変わっています。稼働中は流石に暑いんじゃない?

CGがひど過ぎる。メラメラした感じを出したかったのかもしれませんが、ちょっと違和感が大きすぎます。こればっかりは言葉で表現できず、実際に見てもらうしかないですが。同じようなシーンとして「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」の最後、フロドが指輪を滅びの山に捨てようとするシーン、あれが思い浮かびますね。いつ新一が「指輪は僕のものだ」と言いだすのかヒヤヒヤしながら観てました。浅野さんも容赦なく指をかみちぎってきそうな風貌をしていますしね。それに比べるとかなりお粗末です。10年前の映画「スターウォーズ シスの復讐」で溶岩の中にアナキンが沈んでいくところの方がうまく描けていたというのはこれいかに。無理に背景作って戦闘を激しく見せなくても、普通にごみを散らかしただけの場所で動きにこだわった方がよかったんじゃないかと思いますよ。これまでは「日本のCGやるじゃん」という評価だったのに、最終決戦で手のひら返しました。日本人って動物的な動きはできても静物的な描写は苦手なんでしょうか

 

 

 

これだけは言っておかなくてはならないのは、放射性物質という謎の震災要素。いくらいろいろ漏らしている日本でも、そのまま焼却炉に入れないだろ...というツッコミは野暮なので胸にしまいこんでおきます。下請け業者がそれはテキトーだったのでしょう。それでも、それなりにうまくねじ込めていたシン・ゴジラ(シンゴジラ中のゴジラは核実験や原発事故とは全く関係なく、海中投棄された核廃棄物を食べ、熱線放出時に放射線をまき散らすという描写のみ)に比べて、ちょっと無理やり過ぎるような気がします

そもそも自然界に存在しない有害物質をもって勝利し、「やっぱ人間にはかなわねえや」というエンディングのはずが、放射線という自然界にありふれたものに収まってしまっては困ります。原作忠実派の自分でも、やっぱり変えるべきところは変えていいと思うんですよ。☆4をおいた前作の島田関連、指さして殺す相手を「いーち、にーい」と数える東出晶大には人ならざる者への恐怖を覚えましたし、弓での狙撃シーンは重量感があって気持ちよかったです。拾った石→斜めに切った鉄パイプと、無骨さはそのままだったのもよかった。でもここはダメでしょ

それより「K-19」を視聴後だと、寄生生物にダメージを与えるほどの汚染物質を素手で触れた新一の容態が非常に心配です

 

 

 

あとは次第点。ねっとりベットシーン、ここは最終決戦直前、生の確認という重要なシーンですがカットされず。PG12なのによくやった。最終話『きみ』は完全再現で原作ファンも満足。3人に囲まれた田宮良子の戦術は進化していましたし、広川の演説も悪くはなかった。しかし、くだらない改変と安いCGのせいで台無しです。せめて片方だけでもなかったらコンパクトにまとめられた「寄生獣」として評価据え置きだったんですが。前編の感じですすめてほしかったというのが本音です

 

 

 

以上。終始愚痴になってしまって申し訳ないですが、『寄生獣』って有名だけどなあにという人にはぜひ見ていただきたいです。原作漫画は10巻ほどで終わり、絵柄も古臭くはないのでそっちの方が断然おすすめですが

原作付きの実写映画化は版権が安いとかなんとかで、今の邦画界は実写化ラッシュですが、できればもっと丁寧に作ってほしいですね。特に「寄生獣」なんかはハリウッドに奪われ?て「ドラゴンボール」化しかけたのをわざわざ取り戻したんだから、カネかけて細かく描写してほしかったです。おかげさまでガイア理論的な壮大な世界感、通しで読んだ時の心がいっぱいになる感じは1mmもなく、「結局実写化はこうだね」というむなしさが残るのみ...

ラッシュも嬉しいですけれでも、予算減らして儲かった分はそのまま作品に注ぎ込んで欲しい、原作を使い捨てないで欲しい、これが自分の切なる願いなのでした 冏rz