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【映画】☆5 チーム・バチスタの栄光

 

 

 

「バチスタでは手術のために一度患者の心臓を止めます

 いわば、私は一度人を殺す」

 

「一連の術死は単なる医療事故なんかじゃない。殺人だ

 チームバチスタの中には人殺しがいるんですよ」

 

 

 

 

心臓手術前には絶対見てはいけない映画9年連続No.1、『チーム・バチスタの栄光(2008)』の感想レビュー、はじまるよ!

評価:☆☆☆☆☆ ピロリロリ ピロリロリ

 

 

 

 

名作しか作れない男・海堂尊と、名演しかできない男・阿部寛、この二人が出会ったらその勢いはアンストッパブル

原作を全て、ドラマ版も飛ばし飛ばし見たはずでしたが結末まで忘れるというこの役に立たない大脳。一度MRIで頭蓋の中を見た方がよさそうです

でももう一度楽しめたのでセーフ。記憶を消して~したいとはよく思いますが、本当に記憶がないとかなり参りますね 冏rz

 

 

 

あらすじ

成功率60%の難しい"バチスタ手術"を1年で26連勝させてきた桐生率いる『チームバチスタ』だったが、3例続けての不審な失敗に桐生自ら調査を依頼、心療内科医の田口・厚生労働省の白鳥はコンビを組んで『チームバチスタ』の中に犯人がいるとにらみ、調査を進めていく。

(医療ドラマ/ミステリー映画)

 

 

 

映画版では『チームバチスタ』メンバーに絞ってもどうしても個々の人物にスポットを当てづらく、重要な取材の尺も数分で終わってしまうのですが、それを俳優陣の演技が完璧にカバーしています。役者はいつものって感じのベテランで流石名演技。玉山鉄二が霞むような重厚なメンバーが勢ぞろいです

特に、もう離してくれなさそうなたくましい腕の桐生先生(吉川晃司)や鉄塔の頂上まで追いつめてきそうな麻酔医氷室(ココリコ田中直樹)、この2人の配役には拍手を送りたい

竹内結子演じる主人公の田口と、阿部寛演じる白鳥のコンビですが、自分はドラマ版よりも好きです。というより、ドラマの中村トオル版の白鳥はいちいちカッコよすぎるんですよね。阿部版のほうがひょうひょうとしている感じがあって自分は好きです。ドラマ版と違って田口先生は女性に変わっていますが問題なし、原作通りだと機械出しの看護師以外全員男になってしまうことへの対処でしょう。しかし性別を変えたことによって田口のお人よしさテンポのずれた呑気さが増幅されていてよかったです

 

 

 

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好きなシーンの紹介に移ります

27例目の緊張感はひとしお。調査を始めてから初の施術、さらには患者は反米ゲリラの少年兵、アメリカでの治療を断られてこの病院へやってきた経緯もあり、病院の威信にかかわる重要な手術です。国内外からメディアが注目する今回は、4例目の失敗は許されません。手術室のメンバーは口には出しませんがみなそれをわかっています。そんな状況の中での手術シーンでは手に汗を握りました

 

 

 

それから28例目の失敗後、田口が廊下に泣き崩れるシーン。田口は患者との思い出もあり号泣。それをしり目に『バチスタ』メンバーが順次去っていくところがキャラクターをうまく表現で来ていると思います。ベテランの『チームバチスタ』はいちいち患者の生き死にに対して感情を爆発させたりはしないのです。慰めに来る桐生、我先にいなくなる垣谷、桐生を待つ鳴海、そして田口を気にかけながらもあわてて後を追う大友、素通りする白鳥。ピントの合わない画面の奥でもこういう細かい演技をさせるともうたまらない

 

 

 

それからこの作品、邦画には珍しくカメラが気持ち悪いぐらい動いて好きです

再鼓動が来ず慌ただしくなる『チームバチスタ』から取り残されるように田口に迫るカットとか(28例目)、桐生に過去の手術のビデオを見せるときのカメラの切り替えとか、画面作りがしっかりしていてのめりこめる

総評すれば、2時間のクソせま枠でようここまで詰め込めたなと思います。ハイ事件、ハイ謎解き、でこいつが犯人ね、オワリ!という展開を急ぐ強引さはなく、ミステリーとして十分に楽しむことができます。もう心臓バックバクです。桐生をして「再鼓動が来なかった時の恐怖はそこにいるものしかわからない」と言わしめる恐ろしさを映像で完璧に表現で来ていたと思いますよ。医療機器のアラート音ってなんであんなに怖いんでしょうか。いやたぶん怖がらせるためのアラートなんでしょうが...

2重3重のトリックにミスリード、隠された真実、もともとの完成度も高いのですが映画でも見事に拾えていました。気になったのは阿部寛が「しゅじゅつ」を絶対に噛まないことと、MRIの発音が「山洗い」にしか聞こえなかったことだけです。満点!

 

 

 

 

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シンテイシダヨ シンテイシダヨじゃ駄目ですか...そうですか...

 

 

 

この映画の監督は『ゴールデンスランバー』でも監督を担当しています。こっちもミステリーものとして非常に面白いのでおすすめ。暇つぶしの軽い気持ちで見た映画がここまで完成度が高いとは驚きです。原作ファンでも大満足、先が気になって最後までぶっ通しで見てしまいました。ベストセラーの映画化は基本はずれないんですよね。ということで、この流れで次作の『ジェネラル・ルージュ』もチェックしてきます

 

 

 

しかし、こういった医療ドラマを見たあとしばらくは変に心臓の動きを意識してしまうんですよね。こういうの医学用語で何というのでしょう。不随意筋なんで意識したところでって話ですが

みなさんも寝る前に、心臓の鼓動を意識してみて下さい。妙に早い気がする、いきなりピタッと止まりそう、死ぬってどういう感覚なんだろう。だんだん不安になってきましたよね? そんなことを考えてたら眠れなくなってきましたよね? そこでこれ、『チーム・バチスタの栄光』ですよ!! 1本いいの見てぐっすり眠りましょう! オススメ!