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【映画】☆3 パシフィック・リム

 

今週のお題「映画の夏」 を「怪獣の夏」にしてやります

 

rinthemirror.hatenadiary.com

レビュー7本目はパシフィック・リム(2013)

評価:☆☆☆ 期待と違う

 

太平洋の底から人々を襲い来る大怪獣と巨大ロボットとの戦闘を、パイロット視点で描いたSFアクション

 

 

 

 

『聞いてないのか? 世界の破滅が迫ってる! どこで死にたい? ここか! イェーガーの中か!』

海底から出現する大怪獣が都市を襲うようになった近未来、唯一の対抗手段は巨大人型兵器イェーガーで正面から殴り合うだけ。なんとこれ、誇張ではなく本当です。攻撃手段は殴る、つかむ、投げる、終わり! 一応機体ごと特殊な装備があるんですが、チャージや変形が必要で、メインウェポンというよりかは支援火器、とどめの時ぐらいにしか使われません。規模のでかいプロレス、地球チャンピオンを決める世界タイトルマッチですね

 

 

 

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『ここにいる人間には揺るがぬ信念が必要だ 最後まで戦って勝て 共感も称賛も不要だ』

 

 

 

戦う男の肉たたき

怪獣はこれでもかというくらい大きく、意味もなく穴を掘るわビルを突き破るわ、街を舞台に大暴れ。開始数分でさも当然のように破壊されるゴールデンゲートブリッジ、なぜか肉薄して機銃掃射しハエのように叩き落される戦闘機群を見ると、シン・ゴジラでは満たされなかった何かが充実していくのがわかりますね

シン・ゴジラの超巨大不明生物が防御極振りだとすれば、パシフィック・リムの怪獣たちは体力極振りです。力士のような重厚な肉襦袢をまとい、刃物やミサイルがズブズブ効きますが全く倒れる気配はなく、非常にタフです。殴ってるうちに柔らかくなって食べやすそう。肉厚の体が傷だらけになってあちこちブルンブルン震えるさまを見ているとお腹が減ってきますね

 

 

 

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デカァァァァァいッ説明不要!!

 

 

ただ肝心の戦闘シーンが非常に暗い そして常に雨が降ってるか海の波しぶきがあるかで画面が全体的に見にくい。先述のとおり戦術がとりあえず殴るだけなので工夫がなく、ネコの喧嘩みたいでシュール。描写がヘタクソでダメージが入ってる感覚が全くなく、爽快感も薄め。イェーガーがあっさり壊れる紙装甲で、大体ピンチになってるのもなんだかなーという感じでした。上映後泣いたとの情報を聞いて観たのに、これにはガッカリ

そして凄いのが、パイロットと司令官、人を失う悲しみを知っている設定なのに、街中でもおかまいなしにバンバンおっぱじめます。人のいない海岸線に誘い込もうとか、被害の少なそうな場所で戦おうといった配慮は一切なし。ビルにもたれかかり、車を踏みつぶし、ただ怪獣を破壊することだけを考える戦闘狂と化しています。多分数百人単位で死者が出てるんじゃないでしょうか。 怪物と戦うものが自ら怪物になってます

ジアース災害じゃないですけど、多分このパイロットたちいつか遺族に暗殺されるでしょう

 

 

 

次に、期待していた菊地凛子の扱いが雑すぎる

ハンニバルライジングでのレイディームラサキのように、せっかく日本要素を出してくれてるのはありがたい、ありがたいけど、扱いがひどすぎて見てられない....

 

 

 

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登場シーンからして覗き魔みたいな扱い。まわりの人物が菊地凛子に合わせてひどくカタコトな日本語をしゃべってくれるんですが、悉くチョイスが微妙で突拍子もなさすぎて笑いを誘います スコシオサエテー

日本が舞台ならまだしも、ここ香港ですしね お前ら全員どこで日本語覚えたよ...

 

 

 

ストーリーもガバガバで大幅減点。こういうSFアクションって戦闘シーンさえ見ごたえがあればどんなにひどい話でも気にせず全然楽しめるのに(バトルシップ)、その前提がないので悪さが際立ちます。失敗は許されない人類を救う作戦なのに行き当たりばったりで、終始グダグダのまま終わり。最後まで国の援助なし! よくわからない中国の組織にそんな重要な作戦任せますかね

かつ、売りであるはずのCGの出来が良くない。戦闘シーンは既述のとおり、基地での日常会話のシーンでも人物が浮いてます。なんて言ったらいいか迷うんですが、背景作りこみ過ぎて人物とマッチしていないって感じです。金をかけすぎたのかテカテカまぶしい

 

 

 

とってつけたような演説、巨大ロボットにツルツル操縦スーツ、俺は置いていけ的なお涙頂戴シーンからおなじみの問題解決法まで完備のB級映画ですが、色々足りなくてC級になってしまった作品。「期待外れ」の一言です。ただBGMだけはアツい、特A級なんでぜひお聴き下さい。視聴は...おすすめしません 冏rz

 

 

 

『今日我々は地球を脅かす怪物に立ち向かい戦いに勝利する そして人類を滅亡の淵から救うのだ!』

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