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【映画】☆4 28週後...

 

 

 

レビュー21本目は28週後...(2007)

評価:☆☆☆☆ 腹が減ってはゾンビも死ぬ

 

 

 

あけました! 新年最初の記事はR-15映画です!

 

オリジナルである「28日後」、そしてその続編である「28週後」。ええ、タイトルを見れば前後は一目瞭然ですね

自分何を勘違いしたのか「28週後」を1作目だと勘違いしてレンタル、観終わったあとに事実に気が付きました。あの時既に感染していた...?

それでもつじつまがあうというか、楽しめるのが凄い

 

 

 

メインテーマが秀逸。レクイエム・フォー・ドリームと並んでトップ

どこかで聞いたことのある人も多いはず

 

 

 

感染すれば人を見境なく襲うレイジウイルスによって英国が崩壊してから数カ月、感染者が死に絶えたことで復興の兆しを見せ始めたロンドン入植区で再び発生するパンデミックを描いたホラー/パニック映画

 

 

 

こいつはやべえ! ただの感染者をゾンビと呼称していいかどうかは学者の議論の的になるところですが、歴代映画の中でもこの『28』シリーズのゾンビは最強クラスじゃないでしょうか。脚本の都合上の超探知&全力ダッシュ。窓から目だけ出して覗いているところをひとたび発見されれば、頑丈そうに打ち付けられた板をやすやす引きはがし雪崩のように入ってきます。逃げ場なんて、ないよ。感染したから動きが鈍るなんて甘ちゃんなことはなく、腕をブンブン振り回しながら追ってくるさまはまさに恐怖の象徴。地平線から走るゾンビの頭が見えてくるシーンなんかは感動すら覚えますよ!! 

 やっぱり地球球体説は正しかった! 

 

 

 

餓死するゾンビ!大好きです 簡単な話、ガソリンもないのに動き続ける内燃機関はないということです。いろいろなゾンビものを経験していくうち、体が腐ってるのに苦も無く移動し、たまに人間以上の力で噛みつく彼らにはいつも違和感を覚えていました。ちょっと引っかかれたり目に血が入ったりすれば人間側は死ぬのに、ゾンビ側はただでは死なないどころか色々ちぎれても余裕のよっちゃんというのはフェアではない。文明崩壊後の世界にもルールというものはあり、そんなチート、不正行為は許されないのです

とりわけ、生存というのが人類側の課題であり使命であるのに、こんな防戦一方の展開では萎え抜けも仕方なし。ゾンビ映画だろうが人間側にも挽回のチャンスがなくてはならない、神は慈悲深くあるべし

ということで、今回のウイルスに侵された感染者たちはみな強靭な体力と引き換えに、生物としての役割を放棄します。すなわち社会性を捨て、食事を止め、ただ目に入った人間を殺戮するマシーンと化すわけです。その結果体力をすぐに使い果たし、すぐに死に至るというわけです。噛まれてから即座に変貌するのがちょっとたち悪いです(最短10秒)。あ、ちなみに泳げはしないようです。ここは普通ですね

 

 

 

少し横道にそれますが、ゲーム「サイレン」における屍人というものがありまして、個人的にはこれが「ゾンビ」の究極系だと思っています。彼らは生死にかかわらず神のたれ流す赤い水を一定量摂取することでゾンビ化、不死身の怪物として活動をはじめます

彼らが死なない理由はその体液を使って自己修復するからです。(なぜか目から)人間の血を排出しながら体液を循環させ、定期的に赤い水を吸収、それでも足りないのか赤いゼラチン質の何かを食べて栄養補給。なぜ死なないで活動できるのかという疑問点が余すことなく解消されていますよね

肝心なところを「神」の概念でごまかされているような気がしないでもないですが、合理的で、非常に設定が込んでいて思わずうなります。人を襲う理由が善意、屍人になるとめちゃくちゃ気持ちいいからとか、屍人になると逆に人間が怪物に見えるとか、あの時代のSCEは「神ってる」そのままでしたね

屍人はゾンビとは全く異なる存在ですが、ゾンビ映画を語るうえで彼らは欠かせないと思うんですよ。その逆は「ウォーキングデッ...いつかゾンビ論はどこかにまとめ上げたいですね...

1500字を横道に費やしてしまったので、ここらで本題に入ります

 

 

 

閑話休題あらすじ1

パンデミックのさなか、主人公ドンは妻とももに隠れ家で集団生活をしていたのですが、ある少年を招き入れた際、彼を追ってきた感染者の集団に見つかりあえなくグループは崩壊。極限の状況下、助けを呼ぶ妻を見捨て、なんとか水辺に漕ぎ出し襲撃を免れます。その後しばらくあり、入植区のセンター長までに上り詰めた彼ですが、最大の悩みはやはり感染者に襲われる妻を見殺しにしたこと。たまたま国外へいて無事だった子供たち2人との再会も心の底からは喜べません。父親からその顛末を聞かされた2人は、せめてもの形見として亡き母の写真を求め、ひそかに禁止区域内の生家に向かいます。ところがそこで思いがけずやつれ果てた姿の母(人間)を発見。なんと彼女は噛まれても発症しない、史上1人目の特異体質だったのです

 

 

 

兄弟の行動がめちゃくちゃイライラする。「身近な者が感染した時、あなたはどうするか」というのがゾンビ映画の一つのテーマでしょうが、この兄弟はひたすら保身?に走り、その結果多くの死を招きます。見つかっちゃいけない所で転んで大声を上げ、入っちゃいけない所に入って軍を出動させる。基本的に余計なことしかせず、そのせいでどんどんいい人間が死んでいくので見ていられません。『宇宙戦争』のレイチェルがかわいく見えますね。せめて石の1個でも投げてもらえれば評価は変わるんですが、戦闘なし縛りでもしているのか最後まで全く参加しないのが頭にきますよ。加えて、子供は謎のパワーに守られて死なないというのが映画の鉄の掟。「姉弟が...しなかったら」シリーズがどんどん続いていき、「風が吹けば桶屋が儲かる」状態に。こいつらがとっとと...やめておきましょう

 

 

 

あらすじ2

彼女の存在をめぐって対立する軍。殺害対象か、研究対象か。軍医はワクチン開発の可能性を提言し拘留を強く要求しますが、感染者が死に絶えた今その必要はないとはねのけられます。結果、ウイルスが拡散する前に保持者である彼女を消去することが確定しました

そのころ、あの時死んだはずの妻が生きていたことにひどく動揺するドン。子供たちからも詰られ、懺悔のため隔離された妻のもとへと向かいます。涙を流し許しを乞うジョン、やがて彼は妻と口づけを交わし唾液からレイジウイルスに感染、妻を即座に殺害すると施設の人間に次々と手をかけ始めます。28週後、同じくイギリスロンドンで、2度めのパンデミックが始まろうとしていました

 

 

 

えぇっセンター長って設定このためだけ? たしかに保菌者隔離区域への侵入には最上位クリアランスのマスターキーがいるでしょうが... 感染するためだけにセンター長までのぼり詰めたと考えるとドン役の俳優がかわいそうになってきます

 

 

 

キスから始まる感染ってよいよね。 「あのキスしてゾンビになるやつ」で十分通じるのがこの映画のすごいところです。男女がイチャイチャしている時にババーンギャーとなるのは王道ですけれども、大体ABに襲い掛かるC以下と3人以上の人物?が必要ですよね。それを2人でやってしまうのには舌を巻きました。ちょっとした密室トリックかもしれません。映画の常識を覆すシーンですので、必ずチェックしてください

ちなみに感染したドンはもう笑っちゃうくらい凄まじいです。罪悪感に縮こまった彼はどこへ行ったのか(死んだ)、レイジウイルスの名の通り鬼神化。いきなり妻の目を親指で潰したかと思ったら、鈍器で軍人を殴り殺し、広いイギリスを姉弟求めてどこまでも追いかけてきます。感染者=噛むというわけではないんですね。このゾンビが武器を持ちだして「えぇ...」という感覚、強烈なデジャヴを覚えましたが、「ドゥームズデイ(2008)」でした。あれは(いい意味で)ひどいバカ映画でしたが。ちなみに同じイギリスを舞台にしています

 

 

 

最後に逃亡を続ける姉弟たちを守る大人たち。彼らの自己犠牲精神は見習わなければなりませんね。ヘリのパイロットフリン、軍医スカーレット、それから何といっても特殊部隊のドイル軍曹。 味方を撃ち殺してまで民間人を救おうとするそのパワーは主人公にふさわしいものだと思います。火炎放射器のシーンは誰しもが最悪の気分になるはず

 

 

 

以上。ストーリーラインはとにかく子供が邪魔という感想。それでも個々のシーンは光るものが多いです。それこそキスから目潰し、狙撃からカーチェイスまで、なんでもござれ。ぜひ見ていただきたい1本です。続編の28月度なんて計画もあるようですよ。おすすめ!

 

 

 

 平和だったころのイギリス