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人生®

ゲーム、映画、ゲーム

【映画】☆3 LIFE!

 

レビュー13本目はLIFE!(2013)

評価:☆☆☆ 世界は思ったよりも広い

 

雑誌編集社のネガ係という辺鄙な部署で働くさえない男が、あることをきっかけに紛失した表紙用のネガを求めて旅するうちに出会う、個性豊かな人々と美しい風景を描いた冒険/ドラマ映画

 

 

 

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ナイトミュージアムの話をしたら、同じベン・スティラー主演でオススメだということで紹介してもらいました。こういう映画コミュニティのゆるいつながりっていいですね

☆3で申し訳ない...

 

 

 

妄想癖

今回ベン・スティラーが演じるのは、あのナイトミュージアムで演じた夜警とは180°違う、寡黙で内気な中年男性ウォルター。ひそかに恋い焦がれる同僚シェリルに、まともに声をかけることもできません。そんな中発表された主力誌「LIFE」の休刊と人事整理。電子書籍への移行を目指す執行部に、ネガ係の彼は真っ先に目をつけられることになります

 

 

 

まず、彼には軽度の妄想癖があります。うだつの上がらない仕事にさえない外見。もっとダイナミックでワイルドな経験をしたいといつも思っています。特にシェリルの前ではそれが悪化、立ち止まり周りが見えなくなるほど想像の世界に入りこんでしまいます。この妄想描写がちょっとイライラする。頻繁に、そしてなんの前触れもなく妄想シーンがはじまるせいで、「あぁ、ここ妄想だったのか」と頭が混乱します。ここは夢なのか現実なのか、「インセプション」を見ている気分です。まあ妄想癖ってそういうものなんでしょうけど

 

 

 

事件

突然決まった最終号へむけてあわただしく作業をするなか、ネガ係にとっての大事件が起こります。それは表紙ネガの紛失でした。前代未聞の大事件、しかも無くした25番ネガは写真家が「これがLIFEだ」と言い切る最高のもの。表紙がなければ当然最終号は出版できません。焦る執行部、写真家は世界を放浪する根無し草で連絡が付く気配もなく、ウォルターはどうすることもできず右往左往するばかり。発行締め切りが近づくにつれその場逃れの言い訳ネタも底をつき、追いつめられたウォルター。なんと彼は勢いに任せ、写真に写りこんだわずかな情報を手掛かりに、世界のどこにいるともわからない写真家に会いにオフィスを飛び出します。それは彼の人生で初めての、そしていつも妄想の中でしたいと思っていた、大冒険のはじまりなのでした。

 

 

 

ここからベン・スティラーが全力の演技を見せてくれます。極寒の海に飛び込み、サメに襲われ、自転車を全力で漕ぎ、マラソンし、噴火に巻き込まれ...

この映画のキャッチコピーとして「人生の意味をみつけだそう」的なものが打ってありましたが、その意味がわかりました。掲示板の昔からあるコピペにこんなものがあります

 

もし仕事に行きたくなくなったら、そのまま反対の電車に乗って、
海を見に行くといいよ。
海辺の酒屋でビールとピーナツ買って、海岸に座って
陽に当たりながら飲むといいよ。
ビールが無くなったら、そのまま仰向けに寝ころんで、
流れる雲をずっと眺めるといいよ。
そんな穏やかな時間がキミを待ってるのに、何も無理して
仕事になんか行く必要ないよ。

 

まさにこんな感じ。写真家から送られてくるのは目を見張る世界の美しい自然や、そこと一体となって生きる人々や町、そして息づく動物たちの一瞬を切り取った写真。一方で、彼の仕事は暗い照明のもと、日の光が一切入らず資材がうず高く積まれた狭い部屋で、来る日も来る日も同じ作業をするだけ。そんなルーチンワークの仕事人間、井の中の蛙だった彼が飛び出した先にあったのは、文字通り大海だったのです

人生の意味というよりは、生きるってなんだろう、もっと言えば仕事だけが全てじゃないよというのが全編通して語られるものだと受け取りました。キャッチコピーはあまりにありきたりで、ちょっと抽象的過ぎるかな。これを見て映画借りようとは思わないでしょうね

それを証拠に、ウォルターが旅を通して出会うのは「なにかいい加減な人たち」ばかりです。酒にひどく酔いながらヘリを飛ばす大男や、下船後大急ぎでストリップに向かう船乗りたち、勤務中に何度も世間話の電話をかけてくるカスタマーサービス、そして何より、世界の端から端まで自由気ままに放浪し写真を取り続ける写真家。彼らののんびりした雰囲気は締め切りと首切りにおびえる社内とは大違い、そんな彼らと付き合っていくうち、内気で臆病だったウォルターも次第に立派な大人へと成長していきます

 

 

 

ただ、そう簡単に写真家は見つかりません。欠けなかったネガを手掛かりに彼ははるばる北欧へと赴きますが、既に写真家はおらず、様々な人の手を借りて後を追う羽目になります。その道中で出会う人々との交流と、通り過ぎる風景がこの映画のメインでしょう。そこで多くの非日常を体験することで、やがてウォルターの妄想癖はなくなっていきます。そうでしょうとも、なんたって信じられない冒険を今まさにしている訳なんですから

 

 

 

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これぞ北欧というのどかな風景が画面いっぱいに広がります。ここがあるのでぜひブルーレイ等のHD画質で見ることをオススメしたいです。快晴の空澄んだ空気のもと、険しいフィヨルドをしり目に草原を自転車でシャーッと行く感じは誰もが夢見る光景なんじゃないでしょうか。場末のバーやひなびた街並みも美しい。こういうのを見ると思うのが、日本の街ってなんであんなに汚いんでしょうね、看板と電柱かな

ただ、風景を映したいのか移動が長めなのが気になりました。徒歩で、走って、ヘリで、車で、乗り物を逐一変えても尺長すぎでおなか一杯。綺麗なのはわかるけど見せ方が露骨過ぎ、多分映画館で見たら眠くなったでしょう

それでも延々写真家を追いかけ、ついに彼の足取りをつかんだウォルター。ところがネガのありかは意外な場所で...

 

 

 

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肝心の結末が不満。個人的にはあれだけ苦労して旅しておいてというのが本音です。報われていないというあれです。25番ネガが一体どんなものなのかは、引き伸ばしに引き伸ばされます。それはもうドラゴンボール並に。世界的に有名な写真家が「これがLIFEだ」と豪語する写真ならと、自分もそれなりに期待していたのですが、悪い意味で裏切られました。ちなみに自分の予想は「そもそも25番ネガなどない」でした

 

 

 

以上、初めから終わりまでのんびりとした雰囲気のままスーッと終わる感じの映画でした。悪く言えば緩急に欠けていてだらだらしています。見どころはなくあんまり人にオススメは出来ないし、なぜビデオ屋で推されているのかわからない作品だったと思います。何かしら疲れているときに見るべきでしたね

はじめ名前を聞いたとき内村さんのお笑い番組(「LIFE!~人生に捧げるコント」)かと思い複雑な気分でしたが、名前が良く似ているだけでした。ついでにレンタルに行って2度びっくり、同じスタジオの作品が「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」。紛らわしいわ! しかも名前が似ているせいで隣同士置いてありました...

それからなんとこの記事、丁度一か月前からずっと下書きのまま放置でした。新作映画の割り込みが多く、後回し後回しでこんな羽目に。内容もうちょっとで忘れるところでした。ここにきて字数が多くなりはじめ消化しきれていない感じになってきたので、とりあえず記憶が新鮮なうちに書き残せるよう頑張ります 冏rz