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【映画】☆4 シン・ゴジラ

今週のお題「映画の夏」 だそうで、せっかくなんでエントリー

夏とは言わず週一で見てるような...

 

 レビュー6本目はシン・ゴジラ(2016)

評価:☆☆☆☆ もう1回は観る

 

大怪獣の襲来という未曾有の危機に立ち向かう人間たちを、国視点から描いたディザスタームービー

 

 

 

へちまたわし襲来

東京湾で突如発生した多量の水蒸気噴出とトンネル崩落事故。緊急の対策会議が開かれるも、事態は思ったよりも早期に収拾。ところが彼らは水の下にあるものにはまだ気が付いてはいなかったのです...

 

 

 

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本作に於いてゴジラは初めからあのおなじみのフォルムではなく、完全な生命体として逐次進化していくのが特徴です。満を持して上陸した奴を見て、観客は全員「うわっ」という感想を抱いたでしょう。それもそのはず、地べたを這いずり回るその姿かたちはヘチマで作ったたわしそっくり。狂気フェイスで下町を這いずり回る様子には恐怖というよりも一種のグロさを感じます。そのまま川を遡上、大量の小型艇と車が親の敵とばかりに破壊されるシーンでは、津波を思い起こさざるを得ませんでした。拡大し続ける甚大な被害、もちろん官邸、そして自衛隊が黙っていないのですが...

 

 

 

『総理、ご決断を』

主人公が官僚ということもあり、要所要所で挿入される会議シーン。反比例して現場レベルでのゴジラ対応の描写は少なめです。ただ意外にもストレスなく見れてよかった。もっとウジウジするかと思ったらサクサク意思決定するので、長いとか無駄だとかは思いませんでした

ただ攻撃開始となれば話は別。ハリウッド映画ならここは民間人気にせず数分でミサイル攻撃が始まり、ハンヴィーに乗った迷彩服の歩兵が駆けつけババババ自動小銃を掲げて突撃するところなんでしょうけど(クローバーフィールド)、そうはいきません。なにせ日本の政治家、責任を取りたくない。歴史上初めての自衛隊出動に関われば教科書に載ること間違いなし。しかも不名誉なかたちで。まぁもちろんそうも言っていられなくなるんですが、ヘリ展開に許可、機銃掃射に許可、ミサイル攻撃に許可。うーん文民統制ってすごい。こういうところをまさか怪獣映画で見られるとは思っても見なかったので、いい意味で裏切られました

 

 

 

『礼はいりません、仕事ですから』

自衛隊頑張ります。10式戦車始め最新兵器てんこ盛りで超巨大不明生物に挑む姿はみものです。怪獣映画にありがちなノープラン滅多撃ちではなく、きちんと攻撃手順や攻撃目標を設定していたり。いつもいつの間にかスクラップになってる自衛隊も、今作ではすさまじい命中率と惜しみない戦力投入で無能さをまったく感じさせません。まぁ通常兵器が効いたら映画30分で終わっちゃうんで傷一つつかないんですけど。ここらへんの「サルのあがき」感はエヴァを彷彿とさせますね。逐一名前が極太明朝体で紹介されるのも渋かった

ピエール瀧ホントに自衛隊員の役似合いますね やるじゃない

 

 

 

 『一番怖いのはゴジラじゃなくて、人間』

未曽有の危機に手間取っているうちにゴジラはどんどん進化。これ以上変態が進めば日本のみならず世界にも被害が出ることがわかります。そうなったらもうあの国が考えることは1つだけ。始まるカウントダウン、しかし主人公たち率いるチームにはある秘策があったのです...

 

 

 

ここからが盛り上がるポイントなんですが、自分は逆に盛り下がりました。ほかのシーンに比べていきなり陳腐になるのはどうにかしてほしい。ビーム兵器の排除と現代兵器のプッシュでSF色を減らしたり、官邸の対応を中心においたり、軽口をたたきながらスマホでのんきに撮影する目撃者だったり、「ゴジラが現代に出現したらどうなるか」をずっと描いていたのに、ここからいきなり毛色が変わり過ぎる。終わったあと、観客がみんなその話してました。在来線はどう調理してもうまいのだ

 

 

 

『人間を信じるわ』

それから全編通して、伝えたいメッセージがあまりに露骨だった気がします。架空の登場人物とはいえこんなこと日常会話で言うか? というセリフが目立ちました。思想とまでは言いませんけど、言いたいことを言わせた感がぬぐえず、ところどころセリフが臭く辟易しました。アウトレイジのように自然に名言が生まれるというよりも、セリフありきの脚本だった気がします。まあそれだけ名言も多いんですが

続いてやっぱり石原さとみ大統領特使はいらなかったかなぁと思います... 多少のキャラ付けならまだしも、ちょっと非現実的過ぎてめちゃくちゃ浮いてます。そのせいでしょぼいテレビドラマのような規模に収まってしまった

 

 

 

 あちこちで異常に評価が高いですけど、それほどでもないかなーという印象。ところどころ光るシーンはありますけどね。特に意味もなく3区を破壊する殺戮マシーンと化したゴジラも悪くない

 

 

 

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ラミエルゴジラビームgif

 

 

 

8月8日夜8時の回でしたが、大学生から特撮好きそうな(偏見)50代の人まで、幅広い年齢層の男性がほとんどの席を埋めていました。何度も言うように戦闘中心でないので子供向けではないですが、その分大人(の男性)は世代をまたいでも楽しめる作品なんじゃないでしょうか

最後になりますが、映画の前半で発せられるこのセリフこそがこの映画のすべてを体現しているんだと思います

 

『国を守るっていうのは大変だ』