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【映画】☆1 漂流教室

レビュー5本目は漂流教室(1987) ちょっと気合い入れて書いてみました

評価: ☆ 視聴者砂漠化

 

学校ごと未来に吹き飛ばされた小学生たちがさまざまな困難を乗り越え生きる決意を固めていくSFドラマ

 

 

 

自分の信条が「映画は原作に忠実にあるべき」で、かつ漂流教室は大好きな漫画で何十回も読みました。それを差し引いても評価は星2から変わらないはず

 

 

 

異変の始まり

まずはじめに舞台がいきなりのインターナショナルスクール。開始から英語が飛び交い始め、我々の心を粉々に砕きます。ゴジラ(2014)でもそんなシーンがあってちょっと身構えましたが、ストーリーには深くかかわらずさらっと流してくれて、外人枠を確保しつつも原作の雰囲気を壊さない味付けになってました。ただこの映画では中核のキャラ含め大胆にキャスト変更が行われています。邦画見に来たはずなのに、気が付けば字幕を延々追ってる... 因縁のライバル大友君がバトルドームCMのメリケンみたくなってます

 

 

 

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f:id:Rinthemirror:20160808012356j:plain 遺伝子組み換え大友

 

 

 

恒例の地震が起こってぐにゃー、外の世界が一瞬にしてみえなくなるシーン。本来ならばすぐに収まって冗談を言い合い、普通に授業を進めていたところで「あっ!!」(怖い顔略) と異変に気付くはずが、執拗に異変描写が続きます。なんならもう窓の外に飛び出そうになった女生徒をみんなで助けちゃうくらい続きます。あんまり長いんでシリアスなシーンなのに笑っちゃいました

この「段々とみんなが異変に気づきはじめ、おかしくなっていく」表現が原作だとピカイチのはずが、映画だとそれはもう台無しになっています。誰かが言ってましたが、ホラー映画やディザスタームービーで一番大事なのは「日常の終わり」なんだと。自分はこれに完全同意します。クローバーフィールド宇宙戦争なんかは「何が起こっているのかわからない、でも逃げる」描写があってこそ、視聴者も怖いと思え、それが面白さにつながるんじゃないかなぁと思います。そのためにはカメラの端に怪物がちょっと映れば十分、街が燃えているさまが少し捉えられれば十分なのです

尺の都合なのかそこは大幅カットで不満でした。そして下記の撮影技術の稚拙さで、目の前に砂漠がドーンという圧倒的絶望感もありません

 

 

 

もがく子供たち

怪異を体験しつつもひとまず教室で落ち着きをみせる生徒たち...なんですがちょっと画面が落ち着かない。おそらくセットの窓の外はBB(ブルーバック、一面青背景)で、そこからクロマキーで抜いたんでしょうけど、切り抜きが下手過ぎて窓枠ぐにゃぐにゃです。さらにいえば枠青くなっちゃってます。Aviutlを使えなかったのが悔やまれる。100歩譲ってそれは仕方ないとしても、この教室上から吊られてんの? ってくらい話しているシーンで外の背景がぐるぐる上下します 結構まじめなシーンで背景が意味もなくうねんうねん動いてたら流石に笑うでしょう

 

 

 

闘いと決意

物語中盤から、学校に未来生物らしき何かが攻めてきます。ここはみんなのアイドルみどり先生がピアノの音で撃退します。おそらく人類滅んでからしばらくのこの世界で、ピアノの音は彼らにとって初めて聞く不気味なものだったのでしょう、それはわかります。ただこいつら、たぶん怪虫がモチーフなんでしょうが、これがもうシデムシかカメムシにしか見えない... 

 

 

 

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 メリケンも虫けらと呼ぶ始末

 

 

 

永住を目指そう→そうだ冒険しよう(ついでに食糧探そう) という恐れを知らぬ戦士のような子供たちや、

参考:

www.youtube.com

その後に待ち受ける冗談のような竜巻巻き込まれシーン、怪虫の子供のような何かがいきなりピアノを弾き始めたり、突然始まるミュージカル、冒険から戻ってきたら学校壊滅、みどり先生あっけなく死去。ALTだかの先生はよくわからない理由でいきなり学校を去り....もう突っ込みどころ満載です

 

 

 

自分が原作で一番好きなのは地下鉄編です。やっぱり井戸掘ってていきなり貫通した穴が地下鉄につながっていたなんてロマンじゃないですか。それに地下深く探検していたら実は人間がいて、さらにマグマだまりがあったなんて、それだけで冒険物語が完成しますよね。そしてそこに巣食う第二人類と失われる以前の文明と、物語は一気に佳境を迎えるわけです。それもありません、全カットです。こんな昔の作品に文句を言ってもしょうがないですが、もうちょっと何とかならなかったのかなぁーと。せめてギコギコうごくマリリン・モンローは見たかったですね

本当に吹き飛ばされたのは視聴者の期待だった 冏rz

そして何よりも、

 

 

 

変態描写

時代を考慮しても、子供にそれやらせんなよ! という変態描写が目立ちます。物語冒頭で全裸の高松くん(主人公)が実の母に執拗なボディータッチ。さらに中盤で挿入される女の子の(砂)シャワーシーン。後者はまぁ芸術表現といえばそうかもしれませんが、前者にはドン引きです。再生始めてワクワクの時にこんな核爆弾を撃ちこまれては困る。そしてヒロイン咲ちゃんの「できるだけ早くあなたの子供を生むわ」発言。これにはぶったまげました。彼ら小学生ですよね? ここで評価を☆2から☆1へ変更。

これより下の映画はないだろ...(フラグ) 原作者であるところの楳図かずお先生が激怒したとかなんとかのエピソードがあるらしいですが、それも納得です。これぞ原作レ●プと言うのでしょう

 

 

 

漂流教室の看板をひっさげた出来の悪いポルノ作品みたくなっちゃった映画です

どうしてもというなら、探しているうちに丸上げされてるのを見つけたので、飛ばし飛ばしどうぞ まったくもってお勧めはしません

著作権はさておき児童のアレはYoutubeの規約的にセーフなんですかね...

www.youtube.com