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ゲーム、映画、ゲーム

【映画】☆4 ジュマンジ

レビュー4本目はジュマンジ(1995)

評価:☆☆☆☆ 何度も見るほどではない

 

マスに止まれば召喚されたものがプレイヤーを襲う、呪われたボードゲームから解放されるために奮闘する4人を描いた喜劇ファンタジー

 

 

 

アオリが呪いのボードゲームだったので、ハリーポッターと賢者の石に出てくるチェス盤や、BTOOOM!・バトルロワイヤルのような痛みを伴う負けの『デスゲーム』方式かと思いきや、全然違いました。普通に協力して脱出を目指しますし、モブ含めて誰も死にません。当初の期待を裏切られたので、じゃあここからグーニーズみたいに個々の能力を出し合って謎解きするのかなと思ったらそんなことはなく、ほとんどヒイヒイ言って逃げ回るだけ。奮闘すると書きましたが、実際にはそこまで奮闘しているわけではないです

あんまり突っ込むのは野暮だと思うんですが、いくつか気になった点

 

 

 

第一に、ゲームについて知識豊富なはずのおじさんが無能すぎる。はじめのライオンをあしらったのは流石でしたが、見せ場はそれが最後じゃないでしょうか。「黄色い花はとくに危険だ!」 ......えっそれだけ? 知りたいのは対処法や撃退法です 何十年もあんた何やってたんだ... まあ子供の心のままの大人がテーマだったんでここはしょうがないにしても、スーツに着替えてからいきなり役立たずになるのは風刺か何か?

子供二人以外のもう一人の参加者である占い師の女が有能なのが合わさって非常に目立ちます。だいたい映画に出てくる(若い)女は余計なことするか何もやらないで逃げるかのどっちかなんですが、彼女はあっさりとゲームに立ち向かう決心し、実際活躍します。毎回死にかけるおじさんェ...

 

 

 

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この表情である

 

 

 

第二に、妙に熱帯推しのこのゲーム、どうしようもなくクソゲーすぎる。サイコロを振らないと次に何が起こるかの啓示が出てこないのはいかがなものか。コマが全て空白なうえ、止まってから初めて効果がわかる人生ゲームなんて、強制就職誘拐婚避妊失敗なんでもござれのカオスゲーになりますよね。そんな無計画の人生送りたくない。戦略性もへったくれもありません

そして『封印されし呪いのボードゲーム』という割には、結構効果がしょぼかったりする。(低頻度で)人を襲うコウモリが出たところでゲームを降りて、アメリカらしくショットガンで叩き落すのが最善だった気がします。そこはジュマンジ親切設計、召喚された動物や人にはこちらの世界の物理攻撃が通るし、ゲームを進めないことへのペナルティはない

 

 

 

そして何より、ゲームを続けさせてくれない。妨害程度ならまぁゲームがゲームなので許せますが、全力で奪いにくるのはいかがなものか。ジグソウのような参加者への敬意やルールといったものは一切なく、ただ無法地帯です。そのくせジュマンジ自体はルールに従うことを強制するものだからたちが悪い。わざわざ降りずに遊んでやってるのにボードを破壊されかけたら誰でも投げだすと思います。ここはもともと性悪なゲームだと割り切るしかないのか

 

 

 

第三に、ちょっとガバガバな映像技法。時代が時代なので人形と3Dを組み合わせて撮影していますが、人形のシーンの違和感がとてつもない。ゾウやオマキザル(そういえばナイトミュージアムパイレーツオブカリビアンでも同じサルがいたずら好きな役で出ていましたね。オマキザル=いたずら好きっていうのは映画の常識なんでしょうか)がCGでうまく表現されてたのに対して、後半クモの大群に襲われるシーンはひどすぎる。釣った糸でぴょんぴょん跳ねてるだけっていうか、もはや糸引くタイミング早すぎて浮いてる。 多脚を器用に動かす様がファンタジー作品でクモが人気の理由だと思うんですが、もはやその場ジャンプしてるだけ、動きが完全にクラゲ

間違いなく「映画史上もっともひどいクモの襲撃シーン」だと思います ホビットの冒険やミストと比べるとどうもね...

 

 

 

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ダイソーの箸コーナーにありそうな毒針

...っていうかそのサイズをゼロ距離で首に受けたら毒関係なく死ぬよね?

 

 

 

ただ、これら不満点はラスト10分ですべて吹き飛びました。いろいろ言いたいことがあったのを我慢して観ていましたが、すべて忘れてしまうほど着地点がよかった。よくもガバガバな途中展開からあそこまで綺麗にまとめ上げたと思います

観終わったあとは必ず、「なるほどここに戻るのか」と感心することうけあい。対象年齢低いと気持ちよく終われていいですよね。偶然手に入れたものが実は呪いのアイテムだったっていうのはありきたりですが、それに収まらない展開で魅せてくれます。おすすめ