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人生®

ゲーム、映画、ゲーム

【映画】☆3 マイアミ・バイス

レビュー3本目はマイアミ・バイス(2006)

評価: ☆☆☆ 銃撃戦のところだけならまた見てもいいかもしれない

 

大麻薬組織に潜入した捜査官が自らの命を危険に晒しつつすべてに決着をつけるまでを追った硬派なクライムフィクション

 

 

 

暗い、とにかく暗い。暗闇のシーンが体感的にかなりを占めていました。どれくらい暗いかっていうと、Heatの空港シーンくらい暗い。もう何にも見えないというより、自分の顔が画面に映って見えてる。そんでもってストーリーは非常に淡白で、どんでん返しも派手なアクションもない。白昼堂々のカーチェイスやど派手な爆発大破炎上ももちろんない。鶏のマスクをかぶって木製バット一本で本部の正面玄関から突入するシーンもない。その分つめたい緊張感は増しているような気がします。アクションではなく、あくまでクライムフィクションであることに注意されたい

 

 

 

主人公の二人がいつもラフな私服であり(潜入捜査だからそれは当たり前ですが)、捜査官という感じが全くしない。個人的には公開時期と相まって、主人公の見た目がPoint Break(邦題Xミッション)のBodhiと非常に被り、(こいつ実は内通者で裏切るんじゃねーか)と終始疑わざるをえませんでした。実際、組織の女に惚れこんで愛と使命の間で揺れる男というのが、本編後半での主題になっています。しかしそこは優秀な捜査官、だまって裏切ったり身勝手な行動をしたりせずに、まずは同僚に相談。

 

 

 

そして組織から疑われないために、極力捜査官同士の接触は避けます。密会はもちろん電話もそんなにしません。したがって基本的な画面構成は二人組が黙々と受けた仕事をするだけで、限りなく地味です(そして暗い!)。かつ仕事に予想外のトラブルが起こる...こともなく、また捜査を避けるための鮮やかな手口の披露...もなく、ただ高速艇を乗り回す様が数秒描かれるだけ。しつこいようですが本当に淡々としている。それなりに期待していたマイアミの華やかな要素はほぼないといっていいです

 

 

 

肝心のストーリーに起伏がないのは前述のとおりですが、役者の演技には目を見張るものがあります。圧倒的な威圧感をほこるカルテルのボス、ホセ・イエロ

 

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 乾いた目というのはこういうことを言うのだろう

 

スターウォーズベイダー卿ハリーポッターシリーズのヴォルデモート卿などと違い、ペラペラしゃべりもしなければ動き回って闘いに挑んだりもしない。むしろ、ただ座って2~3行ほど口にするだけ。それだけでもう怖い。麻薬をビジネスと割り切っている、そしてヘマをする奴には容赦しないだろう、それが全身から漂う役者の演技。主人公たち一行のファーストコンタクトでは、見ているこっちもガクブルでした

 

 

 

そしてこの映画一番の見どころであり盛り上がりが、最後に訪れる捜査官とカルテルの濃密な銃撃戦。これでもか!ってぐらい長く、ひたすら銃声を聞き続ける羽目になります。夜の港で碌な光源もなく、お互いに当たらない。遮蔽物も少ないため、車の陰に隠れてのめくら撃ちブラインドショットが続く。銃弾が車のドアに当たってベコンベコンいう音にはしびれます。それでも一人一人と斃れ、やがて銃声は止み完全に沈黙する。ところが、そこから逃げるように走り去る一台の車があった... からのエンドロールまで畳みかけです

 

 

 

はっきり言って結末にはあまり納得いきませんでした。問題全然解決してない... もしも続編があればアウトレイジみたいな泥沼復讐劇が始まるでしょうね。本編をしっかり視聴しただけに、かなりむなしい気分になりました。あくまでマイアミ・バイスという名前だけで、TVシリーズの華やかさを極限までそぎ落として追及したリアリティが魅力になっています。それを念頭に置くべき作品です